七ツ石山小屋の入り口には、前は無かった呼び鈴があった。「チリ~ン」と鳴らして小屋に入る。
すると、小屋番さんが出てきたが、どこかで見た顔が現れた。
2015年の2月にぼくらは重いザック、相棒ともども27キロのザックを背負って、16:00に小屋にたどり着いたが、その時出迎えてくれたのが、今回の小屋番さん、たみちゃんだ。
「まぁまぁ久しぶりですね~」
と話すと、奥からもう一人現れた。
「あ、これ、うちのダンナ」
「いつお会いしました~!?」
「一昨年、テント場で焼き鳥とか燻製をしていたでしょ!?」
「・・・!?」
「足湯を作っていたのですよ」
というと思い出してくれた。
山で足湯をするという発想は、あまりいないようなので、すぐに思い出してくれた。
「たみちゃん、今から雲取山の往復をしたいけど、時間的に大丈夫だよね!?」
と一応確認すると、行きは2時間、帰りは1時間30分、余裕見て往復4時間かなとのこと。
靴を脱ぐとやる気をなくすので、ザックを小屋の中に置いて、軽い荷物で出かけた。
12:25出発。
小屋から3分で水場に着いた。右に行けば七ツ石山、左に行けばブナ坂経由の巻き道である。もちろん右側に行った。快晴なので展望は最高である。
空が広がると、七ツ石山山頂だ。
道標も新しくなっていた。
写真中央に見えるのが、今から登る雲取山。いったん降りてまた登るのだ。
12:55七ツ石山山頂。
富士山もきれいに見えた
この辺りは飛行機の通り道だろうか、たくさんの飛行機雲を見ることが出来た。これも初めてだ。
百円ショップの三脚を使って、スマホで記念写真。
雪がないのが残念。
先を急ぐのでさっさと降りることにした。
13:30ブナ坂分岐。
昔はここで一夜を過ごしたなぁ~と相棒と思いで話をしていた。
鴨沢方面へ下山する登山客。
登った七ツ石山
ずっと富士山が見える。
14:00ヘリポート着
ヘリポートの立て看板はちゃんと更新されていた。
14:06奥多摩小屋着。
奥多摩小屋の宿泊は小屋内が1回、テントが1回。
後で七ツ石山小屋に戻って、奥多摩小屋の小屋番さんのことを尋ねると、やはり無口だそうだ。ただし、酒を出すと妙ににっこりして、薪ストーブをガンガン炊いてくれる。
前にテントを張った場所にはテーブルがあったが、古くて壊れたのか、水場に降りるところに移動したのか分からないが、テント場にはなかった。
ここで一息入れて、雲取山を目指す。奥多摩小屋から石尾根道までの道がまたキツイ。
14:50石尾根道着。
一気に登ってきたので、疲れたのでチョコレートを食べてまた歩き出した。
石尾根道まで出ると、溶けかけの雪があるが、陽が出ているので凍結は無い。
少し歩くとようやく雲取山の避難小屋が見えた。避難小屋のすぐ後ろが山頂だ。
最後の上り坂をえっちらおっちらと登り、避難小屋に着いた。
避難小屋のきれいなトイレを利用して、15:15雲取山頂着。
富士山がきれいに見える。
山頂の道標も新しくなっていた。誰が運んだのだろうと変なことに興味を持った。
標高年の案内は来年になったら無くなるか!?きっとそのままだろう。
右に30分位降りると雲取山荘がある。
初めて来たときは18:00になり、真っ暗になった。
ここで人を助けて、無理にテントに泊めた。
山頂で記念にイッパイやるかと思いつつ、時間が無いので写真だけ撮って、15:30出発。
帰りに初めて避難小屋の中を見てみると、二重扉になっていて、誰もいないかな!?思っていたら、先客1名が既に寝袋を敷いて、宿泊体制万全状態だった。
避難小屋の中はとてもきれいに掃除されていた。
寝袋と荷物だけで、人はいないので、きっとトイレにでも行っているのだろうと話をして、降りて行った。
下りなので、足取りは軽い。
石尾根道分岐で下りの写真を撮ると、やはり急な坂である。
よく登ってきたなぁと感心していると、下から一人登ってくる。荷物は持っていないようなので、避難小屋の宿泊の人かと思ったら、どうも違った。
挨拶をすると、若い男性、きっと30歳にはなっていないだろう、T型ストック2本持って、息も上がらず話をしていた。
「山頂まではどれ位でしょう」
「石尾根道までは20分あれば着くかな。石尾根道分岐から山頂までは15分かな。どこに泊まるの!_?」
「奥多摩小屋のテント場です」
「ぼくらは七ツ石山小屋に泊まるけど、機会があればそっちに泊まった方がいいですよ。小さいけど、水は売るほどあるし、トイレはとてもきれいです。」
「分かりました、次は寄ってみたいです」
と別れた。
再びずんずん降りていくと、今度は若い女性二人組がえったらおっちら登っている。
挨拶をすると、今から雲鳥山荘に向かって、泊まるとのこと。
「自炊ですか!?」
「いえ食事付です」
「(山頂まで)どれくらい掛かります!?」
「そうね~この場所からだと30分位かな。今は16:00。山頂が16:30。下って17:00に山荘に着くかな!?。早く行かないと、小屋の人に怒られるらしいよ。」
「17:30に着けばいいので、大丈夫かな」
「次は七ツ石山小屋に泊まるのがいいよ」
と勧めておいた。
きっと17:30到着は厳しいかなと話をして降りていった。
ブナ坂分岐は16:30着。
ここで、ヘッドランプを持ってくるのを忘れたことに気が付いた。
まだ陽は高いので、あと一時間は大丈夫だろう。
ブナ坂分岐で6頭のニホンシカがいた。夕方なので、エサを探しているのだろう。
少しずつ距離を詰めて、写真を撮った。
手を挙げて、「シカタクシーに乗せてくれ~」
と声をかけるが、相手にされなかった。
帰りは七ツ石山を登って帰るには、あまりにも傾斜が厳しいので、やる気をなくした。巻き道経由で行くことにした。よく考えたら初めて通る道だ。途中はかなり狭い道だが、傾斜はあまりない。17:00小屋着。山頂から小屋までは1時間30分、なかなかよいペースだった。